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安心して産みたい〜深刻化する産科医不足

2006.06.23 Friday
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    とっても良かった番組(ローカル放送局)のご紹介です。
    SBC信越放送
    SBCスペシャル「安心して産みたい〜深刻化する産科医不足」
    【6月1日 19:00〜19:54 放送済】
    1952年(昭和27年)に開設された上田市産院は、上田地域で産まれる赤ちゃんのおよそ4分の1の出産を取り扱ってきた。
    母乳育児に積極的に取り組み、ユニセフなどから「赤ちゃんにやさしい病院」に長野県内で唯一認定を受けた上田市産院に去年夏、存続問題が持ち上がった。
    医師を派遣していた大学が医師の引きあげ方針を示したことがその理由。
    背景にあるのが全国的な産科医不足。
    医師が高齢化する一方で、昼夜を問わない出産への対応などが敬遠され、若手の産科医が減少している。
    県産科婦人科医会の調査では長野県内ではこの5年ほどで約20の施設が分べんの取り扱いを止めた。
    上田市産院の廃止もやむなし、とも思われた時、そこで我が子を産んだ母親たちが立ち上がった。
    分べんだけではない精神的なサポート、そこにはお産に対する「安心」があった。
    上田市産院の存続を求めて母親たちの署名運動が始まった。
    しかしその間も県内各地の病院で産科医の過酷な勤務は続く。そして医師の配置に苦慮する大学。
    「安心して産みたい」という母親たちの思いはどこまで届くのか。
    産科医不足という深刻な危機に直面している産科医療の現場を追った。
    深刻な産科医師不足の実態を通して、少子化の中で危機的な状況を迎えている出産現場の現状を報告する。

    ========以下番組閲覧のメモ===
    ※ビデオ見ながらの確認しているので多分大丈夫だと思いますが、細部違いがあるかもしれないので、参考にしたいときはSBCにお問い合わせください。
    ========以下番組閲覧のメモ===
    上田市産院は昭和27年開院の産科単科の小さな病院です。
    地域の4分の1 毎年500人が産声をあげています
    スタッフは40人 産着は手縫い 赤ちゃんに使うのは布オムツ

    甲藤一男院長(56歳)が母乳育児学級に来たお母さんたちに話している
    「母乳をくれるっていうのはお母さんがお母さんになるために大切なんですね。」
    17年前に信州大学から派遣された。
    インタビュー
    「大きな病院ほど心をひとつにすることは難しいと思うんですよね。
    上田市産院はベッドメイキングする人 給食を作る方も同じ理念で―やさしさという理念で、働いています。」


    信州大学は県内に産科医師を20名派遣する産科医療の要である。
    上田市産院からの医師の引き上げを2005年夏に決めた


    甲藤院長
    「私が残っても1名しかいなくなる。がんばってもできることに限りがある。
    患者さんに命という形で迷惑をかけることになる。」

    産院が消える 誰もが そう受け止めた


    産院で出産したお母さんたちが署名運動を始めた
    公園での署名活動
    初老の男性
    「存続できるかな」
    お母さん
    「わからないけれど、やっております。」

    署名運動に参加した桐島麻希子さん 2歳と4歳の女の子のお母さんです
    「出産のとき、全部言ってもらったんです。赤ちゃん降りてきたよ
    もうすぐ破水するからね 
    いきみたくなったらいきめばいいよ 
    そういう言葉のひとつひとつがすんなり自分の中にはいっていった。
    気持ちによりそってもらうこと。
    後々、子育てって大変だなって感じたときに、あたたかい言葉がささえになりました。
    産院が無くなると聞いたとき、頭の中が真っ白になりました。」

    11月
    上田市役所を上田市産院の存続を求める母の会の人たちが訪れました。
    桐島さん
    「今日は、市長さんに、いいお産がどのようなものか、
    上田市産院でなされている医療について知ってもらいたいと思います。」
    発言した女性
    「いきみ方がうまくいかなくて、お産が進まなかった。
    分娩台に上がってから、早く赤ちゃんに合わせてあげたいからもう一回促進剤使おうか?と聞いてくれました。
    いや私がんばりたいです。と言ったら じゃぁがんばろうね。と最後まで・・・ 
    産院全体で、お母さんと一緒にがんばろうという雰囲気があって・・・」
    「助産婦さんが夜中でも、早朝でも話しを「そうだよね」と聞いてくれるんです。
    申し訳ないとおもうけど、こころ癒されて育児がんばろうと思えるんです。」
    「自分でもよくわからない先天的な血液抗原があると言われて、
    お産がどうなっちゃうのか、このことでスタッフの方に危険があるのか、不安の中で先生に尋ねました。
    私の目をみて、そんな風に引け目に思うことはないときっぱり言ってくれて、
    小さなことかもしれませんが、初めの妊娠で、不安の中で、萎縮しないで受けられる医療が上田市産院にはあるんです。」

    派遣をなぜやめてしまうのかわからないなかで署名活動は進んでいった 
    わが子を背負って集めた署名2週間で8万人。県外からも集まった。
    上田市は医師確保に全力を尽くすことを約束した


    その日の夜 上田市産院で小林さんが出産しました。
    お産を終えた甲藤医師
    「産んだお母さんとお父さんがひどく喜ばれる そういうのはやりがい感じるね
    最近はお父さんもよく立ち会ってくれてね お父さんも皆泣いてるんだよ
    ああいうのを 子供が大きくなったときにお父さんはお母さんは 話してやるといいと思う
    命かけて産んでるということが子供に伝われば
    いつものことだけどひとりひとり 無事生まれるとほっとするよね」

    上田市内の三浦産婦人科 医師は分娩をやめた
    三浦秀介医師(59)
    「くたびれはてたということです。私ももうじき60・・・定年です。
    老眼になっているし、無理してやっていると危険と隣り合わせになります」


    上田地域では20年の間に6つの開業医院が分娩をやめました
    他の地域でも開業医院は減っています。
    今、地域中核病院がお産の受け皿になっています


    長野県南部 昭和伊南総合病院
    1年間に分娩が400件以上 駒ヶ根市内唯一の分娩施設です
    月曜8時
    今井努医師(39)正木医師(卒後5年目:女性)の一週間が始まる
    正木医師は昨夜お産があったので休んではいない

    外来は時間通りに終わらない
    2時半  外来終わる 昼食は10分でとる
    午後 病棟と予定帝王切開
    今井医師
    「一番は泣き声が聞こえたとき ほっとしますね。」

    24時間の体制をわずか2人で守っています。
    半数の総合病院は医師2人の体制です

    正木医師
    「呼ばれて30分以上かかるところに出かけるときは 今井先生にお話して、
    病棟が一通り落ち着いているかどうか確認してから でかけます」
    今井医師
    「今までで一番過酷なのは つい最近あったんですが、
    夜中に緊急帝王切開が2件入って、そこに普通のお産が重なって、
    それが日曜から月曜にかかるところだったんで そこからまた一週間が始まったとき・・・ですね。
    ここまでなのか これだけ大変なのかと思いました。 肉体的にも精神的にも
    5年後10年後・・・ 産婦人科でいるとは思いますが、今の労働環境で体が持つかどうか不安は感じている」

    夕方になって妊婦が入院してきました。出産のため待機します。
    今井医師の帰宅は午前1時でした


    過労に倒れた医師もいます
    長野県 最北部  飯山赤十字病院
    飯山市以北で唯一の産科病院です。

    中村正雄医師(59歳)
    担当する手術の直前に自分が倒れて緊急手術を受けました。 
    中村医師
    「使命感でやってきたんですが、年齢も関係してくる。
    今までの若いときみたいにからだが利かなくなってきている。
    若いつもりでいたんですがこうなっちゃって」
    仕事に復帰する日
    もう一人の医師が退職してしまいました。
    清水理可医師 富山大学が県外への医師派遣の引き上げを決めました。
    「長野も厳しいですが、富山の方も厳しいので」
    中村医師がひとりで担います。
    「僕がやめても他からこれればやめれます でも僕がいなくなれば医師がいなくなってしまう。
    でも、この状態だと、もしまた僕が倒れて お産が来た場合 どうするのかは・・・」
    川村 飯山赤十字病院院長
    「大学 雑誌 業者さん 医師公募しておりますが、全国的に医師不足で確保するのは・・・難しいですね」


    ―松本―
    信州大学学生に産婦人科へのイメージを聞いた
    「やっぱり 忙しいっていうのと 当直が沢山あるっていうのが」
    小西教授が産婦人科の魅力を伝え、医師の確保に努力している。

    金井講師
    「アンケート調査をしたところ、産婦人科107施設のうち 54施設が分娩を取り扱わなくなっていて
    拠点病院でも29人勤務医が去っていました」


    12月に上田市で医療体制を考えるシンポジウムが行われた
    小西教授
    「上田市産院ではいいお産ができたと思い出をもっておられて 気持ちよくわかります
    上手くいけば存続すればいいんだと思います でも・・・
    一番必要なのは手間のかかるリスクのあるお産の方に力を注がせていただきたい」
    金井講師
    「県外の大学からの大量引き上げがありました。
    上田以外の地域で悲鳴を上げていて、上田市産院に送っている医師はもう出せません 
    少ない中で 命と健康をどうまもっていけばいいか考えて欲しい」


    シンポジウムを終えて上田市の母の会の方にインタビューをした
    「産院の存続を求めることはわがままなのかな・・・」
    「安全と安心 どっちかとなったときに 安心をとりたいんだけど」
    「リスクを言われたら 安全な方 安全な方ってなるに決まっている」
    「これだけいろいろ選べる世の中になっているのに 
    お産だけ 言われるがままにやらなきゃいけないというのは変だよね」
    「お産は女性にとって一番幸せな瞬間であって欲しい そういう権利はあると思う」

    上田市産院で無事出産した小林さん
    長男がうまくおっぱいを飲んでくれない
    小林さん
    「口 絶対開かないんですよね」
    助産師さん
    「夜生まれたからね、今疲れてるから、お母さんも一緒に寝ておこう。今晩起きると思いますよ。
    授乳は夜です。夜の巻ですよ〜」
    授乳の時間は決まっていません 授乳の時にはつききりで見守ってくれます
    助産師さん
    「はるくん上手 上手 自信もっていいよ!小林さん」
    何度もチャレンジ 母と子は絆を深めていきます

    3月長野市で開かれたシンポジウム
    厚生労働省の人
    「ほっとくと、それぞれの施設がつぶれていきます。その前に動かないといけない。
    ある程度集約化は必要です。
    適宜 集約化・重点化する 産科の先生の少ない病院は残念ですが廃止なり縮小なり
    効率よく医療を展開していかなければいけない」

    母親代表としてシンポジウムに桐島さんが参加していた
    「世の中が効率化されて、そういう時代の中で お産までもが医療まかせで効率化されていって・・・
    この先生まれてくるこどもはどう生きていくんだろうかと考えてしまいます。」

    厚生労働省 佐藤氏にインタビュー
    「医師の進路の問題があります。
    一つは進路に制限を設けてもいいか、医師の人たち自身が考えて欲しい。
    もう一つは医師の処遇に差があってもいいか
    今、給料は公務員に準拠しています、それを確保の困難性にもとづいて給料に差があっていいかどうか、
    医師や病院運営者、行政の人が考えて欲しい。」

    スタッフの役割分断を明確にして医師の負担を減らした病院があります。
    埼玉県 深谷赤十字病院 
    埼玉県北部の中核病院です。
    妊婦の超音波検査ここでは医師ではなく助産師が担当しています。助産師外来のシステムです。

    正常分娩に 医師は立ち会わない 支えるのは23人の助産師たちです
    志村千恵助産師
    「ここの先生たちは俺がやってもこうだったろうということをいつも考えてくれている
    もちろん厳しいです。
    なんでここで報告がなかったか
    なんでここでそうこう考えたか 自分の意見を求められます。
    30分まえまで元気だった赤ちゃんが 急に心音おとす
    そのときに30分前、何していたの
    何を判断できなかったのか
    一つのお産をとるたびに振り返って学んでいます。」

    常勤医師は4人 手術と、経過異常の妊娠を扱います。

    山下恵一 産科部長
    「安全なお産には医師がないとという自負があったが
    産婦さんが満足かな いうところにある日考えが行き着きまして
    助産師さんにお願いをする 
    異常なことがおこったらすぐに協力して対応する
    これが心の満足が得られるお産ではないかなと思いました。」

    助産師は帝王切開や吸引分娩などの医療はできませんが
    正常分娩は助産師だけでとりあげられると法律で決まっています。
    おととし 深谷赤十字病院の4分の3は助産師だけで対応できる正常分娩でした。
    同じ女性として妊婦の精神的なサポートができる強みもあります。

    入院の女性の言葉
    「外来のときから顔をあわせていたので安心して生めました。」
    「入院を1ヶ月したので、ずっと当日までアドバイスしてもらって、不安なく産めました。」

    山下医師
    「全然負担は減りました。半分といって過言でないとおもいます。」
    志村千恵 助産師
    「入院がきた先生お願いしますというのは 確かに楽ですが
    やりがいもないし 助産師ってそんなに 看護師的な 援助だけでいいんかなと思いました
    お産をなしとげたときの達成感
    このお産に出会えて良かった この人にかかわれてよかったという思いがあります
    先生の介助が必要なときだけお願いする
    助産師は自立して もっともっとやっていけるんじゃないかと思います。」


    上田市産院の存続が決まりました。
    二人の医師が新たに赴任しました。
    しかし小児科医の不在など、緊急時の対応に不安が残ったままです。

    産院存続運動をした母親たちは 
    お産の勉強会を始めました。

    安心して産みたいという母親の思い
    医師にのしかかる責任と負担
    いのちの誕生を誰がどんな仕組みでささえていくのか
    出産の現場からの問いかけです


    四季折々comments(1)trackbacks(4)|-|-|by usiki@篠ノ井

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    2017.06.04 Sunday
    0
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      コメント
      飯山赤十字病院のホームページを見たら中村医師は今、月〜土の勤務なんですよね・・・。当然夜も働いていらっしゃるだろうし、言葉がありません・・・。
      |usiki@篠ノ井|2006/06/23 1:34 AM|









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      医療崩壊が産科から始まってしまった [ブログ時評59]
       産科医療の実情が6月中旬、次々に明らかになり、日本の医療システムが崩壊する悲鳴を聞いたと感じた。まず、日本産婦人科学会の実態調査で、全国で5、6千はあると思われてきた分娩施設が3000カ所に急減した。多くは都市部に集まっており、自分の住む町でお産が出来
      • ブログ時評
      • 2006/06/24 6:57 PM
      産科医不足、地方で不足深刻
      ****** 読売新聞、2006年6月24日 常勤医2人以下の産科病院38%、地
      • ある産婦人科医のひとりごと
      • 2006/06/25 10:17 AM
      産科医師不足
      産婦人科の医師が不足していることが、全国で問題になっています。伊勢志摩地域には、三重大学医学部から志摩病院に2人、山田赤十字病院に6人の産婦人科医師が派遣されていたそうです。でも、三重大学医学部の産婦人科医師が減少したため、志摩病院に常勤する産婦人科
      • 徒然なるままに、翁覚書
      • 2006/10/18 7:42 PM
      深谷赤十字病院の行き方
      埼玉県深谷市にある、深谷赤十字病院へのアクセス方法です。 少しでも役に立つページ...
      • そらいろブログ
      • 2006/10/22 3:56 PM
       
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      県立こども病院も取材されています。お産ってどういうことなんだろう。と入門的に読むことができると思います。
      Others ムームードメイン
          

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